一般社団法人 日本健康ライフデザイン機構

役員紹介

炭谷 茂

Shigeru Sumitani

名誉会長

略歴

東京大学法学部卒業、厚生省(当時)入省。
国立病院局長、社会・援護局長、環境省地球環境局長、
総合環境政策局長、官房局長等を経て、
2003年7月環境事務次官に就任、2006年9月退任。
現在は恩賜財団済生会理事長、日本障害者リハビリテーション協会会長、
中国残留孤児援護基金理事長、地球・人間環境フォーラム理事長、
人権文化を育てる会代表世話人、富山国際大学客員教授、
環境福祉学会会長等を務める

メッセージ

私は、人には生物としての寿命のほかに健康寿命、社会活動寿命、就労寿命があると考えています。生物としての寿命である日本人の平均寿命は、毎年延び続け、今では男女とも世界のトップクラスの常連になったことは、大変喜ばしいことです。しかし、人間としての幸せを考えると、他の3つの寿命も同様に延びることが大変重要だと思います。日常生活を行うのに制約を受けない期間である健康寿命、社会活動を行って、人とのつながりを保つ社会活動寿命、働いて収入を得る就労寿命の三つの寿命が、生物としての寿命にできるだけ近づき、長く延びることは、誰もが望むことだと思います。このなかで健康寿命が、中核的な役割を果たします。自立的に活動できないと、日々の暮らしに生きがいを感じることに支障を生ずることが多いでしょうし、健康寿命は、社会活動寿命や就労寿命の前提でもあります。厚生労働省が2019年に「健康寿命延伸プラン」を策定して、健康寿命を2040年までに男女とも3年以上延伸し(2016年比)、75歳以上にすることを目指すことを定めていることは、この趣旨に沿うことだと思います。新型コロナウイルスの影響によって2020年の出生数は、1899年の調査開始以来最少になりました。今後出生数の回復は、大きくは期待できませんので、日本の少子超高齢社会は、さらに加速し、人類が経験したことのない社会に入ります。このため一人ひとりが、健康寿命を延ばすことに努めることは、個人の幸せの向上とともに日本社会にも必須なことです。私たち「日本健康ライフデザイン機構」は、国の対策と歩調を合わせながら一人ひとりの方々の健康寿命を延ばすことに貢献していきたいと思っています。

健康寿命を延ばすためにはエビデンスに基づいた科学的な方法を開発し、個々の人に合ったメニューを用意することが必要です。メニューの内容は、健康寿命延伸プランに定められているように食事や運動等の
健全な生活習慣の形成や適切な健診など幅広い分野に及びますが、生涯にわたって実行しなければなりませんので、楽しく効果的な方法が望ましいでしょう。私は、厚生労働省の前身である厚生省のほかに環境省でも勤務しましたので、「環境」も健康寿命と大変関係が深いことに着目しています。そこで2004年に「環境福祉学」を提案し、環境福祉学会を設立し、現在学会長を務めています。「環境」には自然環境、社会環境、文化環境、住環境等を含みますが、温泉療法や森林療法があるように環境は、健康の向上に役立つことが実証されています。また、スマホ等の普及は、脳や目への影響が懸念されている一方、情報社会の進展は、適切に使用することで健康に役立ってくれます。環境福祉学からのアプローチは、健康寿命の延伸に新しい展望を開いてくれると期待しています。 本機構はこのように幅広く先進的な分野を開発し、健康で生きがいの感じる社会の創造に向けて貢献していきたいと考えています。